カンボジア伝統の水祭り
カンボジアでは水祭りとかいうイベントやってた。もう終わったけど。水祭りが何なのかは知りたかったらビジネスパートナーズさんの記事でも読むといいよ。個人的には、雨季終わってウキウキウォッチン豊作祭りじゃワッショイワッショイ的な祭りと理解してます。違ってたらゴメス。今年で戦力外通告なんやね…悲しいなぁ。
とりあえず、水祭りの雰囲気が伝わりそうな写真だけ一気にアップしときます。これは本題じゃないので流し読みしてください。今回の記事はゴミ問題がメインです。
花火がドカンドカン
王宮前で花火がドンパチしてるのみんな見てる。音がデカくてビックリするので、無音の花火を開発するべき。私がチワワなら2回は音で死んでる。
店がワサワサ
日本で言うところのテキ屋。なぜかミニオンの風船を売ってる人が多い。バナーナ。屋台で何かを買ったことはないので詳細は知らぬ。
人がウジャウジャ
人、人、人。ここは今日だけ歩行者天国。いつもは車がガンガン通るよ。
クソほど人が多い中、交通規制すり抜けてバイクで突っ込んでくるヤツがいて死ぬかと思った。何してんねんコラと思ってたら、警察が片っぱしから捕まえてた。しっかり仕事しとったんやね。サンキューポリス。
ポリスがえっほえっほ
警察メン「花火だ!急げ!」
電飾がギラギラ
船からはクメール音楽が流れてて、ぽへんぽへんぽぽぽぽん。そんな感じ。伝われ。
みんなまったり
飯食いながら川の流れを楽しんでるような感じ。日本の花火イベントと雰囲気が似てる。ぼっちには辛い空間である。
おまけ終わり、本題ここから
まぁ近くのカフェでオレンジジュース飲んだぐらいのことしかしてないので、水祭りの観光について特にこれ以上書くことはないです。人ごみ嫌いやねん許して。
水祭りのゴミ掃除動画がネットで炎上
さて本題。人ごみ嫌いなので水祭り中は家で引きこもる予定だったんだけど、「水祭り最終日の最中にゴミ拾いしようぜ」ていうイベントがあったので参加してきた。今回の記事はこっちがメイン。
主催は「Keep Phnom Penh Clean」。ゴミ拾いを通じてカンボジア人の環境意識を高めていこうよ!と、色んな活動をしてるFacebookコミュニティです。人めっちゃ多い水祭りでゴミ拾いしたらガチで目立つやん!啓蒙活動ワンチャンあるで!というノリです、たぶん。
良くも悪くも注目度が高いイベントは訴求力が高く、シェアされやすくなるので、試みとしては凄く良いと思った。みんなゴミ拾おうぜ!ポイ捨てするヤツにムカつこうぜ!!
あと、イベント開催の一因になったのは、水祭り初日明けてすぐにこの動画がFacebookでバズったからっぽいよ。
どんな内容なのかというと、水祭り中に出た川沿いのゴミを、清掃員がそのまま掃いて川に落としてる動画です。「そんなの掃除じゃねーよ!」と、人種問わずランボー怒りのシェアボタン連打。掃除の仕方が残念なことに加えて、せっかくの祭りがゴミの山を産んでるなんて興醒めもええとこですわ、ていうダブルパンチ。絶賛拡散中。クメール語・英語・フランス語・中国語が入り乱れたコメント欄が、失意と怒りでカオスな様相。
現在ではさらに事態は大きく波及し、カンボジアの大手新聞であるプノンペンポストが、この騒動を記事にするまでになったよ。日本語翻訳の記事はこちら。ソーシャルメディアの力を見た。役所が余計なコト言って火に油注いでてウケる。
記事では、一般人が「ゴミ捨てんなっつってもゴミ箱全然ないじゃん」って言ってたり、近隣住民が「ゴミ収集業者が全く来ねーからゴミ山が大きくなる一方なんだけどマジで」とボヤいてたり、その収集業者がこのゴミ問題についての回答を拒否ってたり、役所のエラい人が「別に問題ないけど?」って言ってたり、スポークスマンが「ちゃんと調査すっから待っててよ」と焦り気味に対応したりで、もうしっちゃかめっちゃかいんぐりもんぐりな感じ。
一番困ってて被害受けてるのは近隣住民らしく。記事では「雨が降るとゴミ収集場所が水没してしもーとる」「ゴミが溜まる一方やねん」「かといって川にゴミ捨てるのもアレやし…」「川にポイ捨てするよかマシやろから、ゴミは燃やして処理しとんねん」と言ってたよ。そんな状態なんだってさ。
水祭り最中のゴミ事情
さて、風物詩というか、祭りでは半端ない量のゴミがポイ捨てされるのが世の常。この水祭りも言わずもがな。もともとポイ捨てが当たり前の国なんで、放置されるゴミの量もまぁー凄いことになってるワケです。
こんな感じで土手に座って、川を眺めて飲み食い。
そのゴミは全部ポイ捨て。平常運転。水際に立ってると、もれなく斜面の上からペットボトルとか降ってくるよ。その結果がこの写真の通り。綺麗な背景汚いオブジェ。
明るく撮るとこんな感じ。微妙にチラついてる緑は水草です。水に浮いたプラスチックごみと絡まりあってて、えらいこっちゃ。風が吹くと、この塊が水面を一団となって一スイーっと気に流れてゆく。これが排水溝に詰まって洪水の原因になってるよ。
プノンペンポストでも報じてたけど、人の量に対してゴミ箱のキャパが圧倒的に足りてない。
そうなると、とりあえず足元にゴミを捨てるしかない。みんなやってるコトなんだから、別に罪悪感もないだろう。誰だってそーする、オレだってそーする。
じゃあみんなの見てる前でゴミ拾おうぜ
「えくすきゅーずみー」って言いながら、川べりに座ってる人の足をかき分けて、ゴミをかき集める。みんなめっちゃ見てくる。歩いてた人も「!?」て感じで足を止めて、すげー見てくる。そんですげー写真撮られた。パンダかよ。まぁ、Facebookで拡散してくれるなら、今日来た意味もあるというものだ。タグ付けは勘弁な。
さすがにゴミ拾いしてる人の前でポイ捨てするのは人として気が引けるらしく、近くに居てた人はわざわざゴミを手渡してくれた。なんなら近くのゴミを集めて持ってきてくれたり。わぁみんな協力的。
子供を抱えた30前後の親世代は、「ほーら見てごらんゴミ拾いをしている人がいるだろう?」みたいな感じで、子供になんか説明してた。道徳の授業。やっぱキレイな街をお子さんに残したいのかね。
10代の子らはとにかくビックリしてた。5人くらいの若者グループが「私らも手伝う!」って申し出てくれたよ。とりあえずゴミ袋と手袋を分けてあげた。こういうのは、外国人じゃなくて現地の人がやるのが一番効果あると思うんだよなー。ありがたやありがたや。
そんで一番ノリノリだったのがおっさんたち。有名人と勘違いしたのか知らんが「一緒に写真を撮ってくれ!」って言われたり、なんかFacebookのライブ動画で私のゴミ拾いの実況したり、水を差し入れてくれたり。これ全部違うおっさん。ゴミ拾いするとおっさんにモテるらしいので、年上好きの人はカンボジアに来てゴミ拾いするといいよ。
そんな感じで、とりあえず人が多くて目立つところで3時間ぐらいゴミ拾いしてました。めっちゃ大量。めっちゃ疲れた。オデノカラダハボドボドダ。ゴミ拾いの話はそんな感じです。
私はカンボジアのゴミ問題を勘違いしていた
家に帰ってから、なんとなーく今まで書いたゴミ拾いボランティアの記事を読み返してた。
私は、カンボジア人が「ゴミなんて全部燃やせばオッケー!」と考えていると思っていた。けど「いくら待てどもゴミ収集車が来ない。ゴミを処分したいが、川に捨てるのは環境に良くないので、仕方なく燃やすしかなかった」という事情があった。
ポイ捨てに関してもそうだ。実際に水祭りに行くと分かるが、ゴミ箱の数が圧倒的に足りないし、どこにあるのかもサッパリだった。ゴミがどうなろうと知るか、というワケではなく、単にポイ捨てせざるを得ない環境だったというだけの話だ。たぶん日本でも同じような事態になるんじゃねぇかなと思う。2014渋谷ハロウィンと似たような感じで。
そして「ソーシャルメディアで拡散→オフィシャルが対応」なんて事態に発展したところを見ると、私が知らなかっただけで、もともと問題意識を持っている人は多かったんだろう。
まぁ、なんつーか、恥ずかしい。ボランティアしてる癖にナチュラルにカンボジア人を見下してたようで。「どーせ教育足りてねぇんだから環境のことなんかなーんにも考えてないんだろう」と。無意識マウンティングはマジでそびえ立つクソ。
さいごに
頭がぐるぐるしてて良い結論が出ない。まぁ時間かけて良いアプローチを考え続けたいと思います。
そういや、日本でもソーシャルメディアで拡散された結果、国会で取り上げられるまでになった「保育園落ちた日本死ね!!!」があったっけ。
カンボジアでも動画で似たようなことが起こったワケだし、ソーシャルメディアの力はえげつないんだね、やっぱり。世界は怒りで変わってく。