カンボジアの職業訓練と人材育成
CDLの鳴海です。私が厚労省を辞め、カンボジアで人材会社を創業してから、やりたかったことの一つに職業能力開発があります。厚労省時代、職業能力開発行政に係る業務にも間接的に関与しておりましたが、日本の職業訓練校で行われる訓練内容は、曲がりなりにも労働市場の需要に合わせて変遷していました。何のために訓練するのか問えば、当然のことながら、訓練により身に付いたスキルを仕事で活かすのが目的ですから、訓練内容が労働市場の需要に合せて変化していくのは自然の摂理です。
カンボジアに進出する製造業の企業は、カンボジア人技術者の採用に際して、ポテンシャルや即戦力を重視しており、主に品質管理や工程管理に従事させたいとの意見が多いわけですが、カンボジアの公立職業訓練校が企業の必要とするスキルや能力を訓練させられるのか、職業訓練校による企業労働者の育成は期待できるのかと言えば難しいと言わざるを得ません。
理由を挙げれば長くなるので割愛しますが、企業側からのアプローチ無くしてどうにかなると言うものではなく、実際、企業からの働きかけで政府から便宜供与を取り付けられる場合もあり、民間職業訓練校を開設するというケースの方がよっぽど企業労働者の育成に役立っているのではないかと思います。
私は「職業能力開発」という言葉には、アーク溶接やNC旋盤など、手に職を付けるという意味合いを強く感じてしまうのですが、このようなスキル以前の課題として、社会人基礎力の低さが進出企業の課題となっている昨今、カンボジア人に対しては、職業能力開発(training)ではなく、人材そのものの育成という意味も含まれている「人材育成」という言葉が妥当であり、必要なのかもしれません。人材育成とは、職業能力開発も包含した意味であり、「人材教育(education)」も含まれるからです。
そのような職業能力開発や人材育成を取り巻く現状の中で、私たちCDLとしても、少しでもカンボジアに貢献できたらと思っており、何かできることがないかと思案中です。私たちには新たな訓練施設を設置する資本力はありませんが、やれる範囲でコツコツと実行していきたいと思います。
また、企業内の人材育成も含めたアウトソーシングのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。今後とも、カンボジアの人材会社、CDLをよろしくお願いいたします。
CDL代表
北海道札幌市生まれ。22年間、厚生労働省などで勤務。2012年、カンボジア人青年との偶然の出会いから、能力・スキルに見合った仕事につけない人がいることを知り、カンボジア人に職業を紹介するビジネスを決意。
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