健康保険や住民票、年金の手続きってどうしたらいい? 海外転出届について知ろう!
海外転出届ってなに?
晴れてカンボジアでの就職が決まり、長く日本を離れる場合は、様々な準備が必要になります。
私的なものはもちろん、公的に必要な手続きもありますよね。
その中の一つに、海外転出届があります。
海外転出届を提出するということは、簡単に言うと住民票を日本国内から抜いてしまうということです。
期間的な目安としては、一年以上の滞在が目安とされています。
手続きはとても簡単で、お住まいの住民登録窓口にパスポートを持参し、異動届に記入するだけです。
出国予定の2週間前からこの届を提出することが可能です。
住民税、国民年金、国民健康保険
海外転出届の提出は、法的に定められているわけではないため、提出するかしないかは基本的に本人の判断に任されます。
もし住民票が日本に残っている状態だと、以下の三点の支払いの義務が発生し続けることになります。
・住民税
・国民年金
・国民健康保険
つまり、海外転出届を提出するかしないかということが、これらの制度への加入を決めることになります。
こうしたことから、海外転出届を提出しないままカンボジアで生活を続けていると上記の3点に関する支払いの義務が発生し続けるため、なにかとお金がかかることが多く、一般論としては抜いたほうがよいということになるかもしれません。
年金制度に関しては、海外転出届を提出し住民票がなくなったとしても、任意で加入し続けることが可能です。(詳しくは日本年金機構のHPをご覧ください)
海外療養費制度とは?
海外転出届を提出せず、住民票を抜かないままでいると、納税の義務も発生しますが、日本の国民健康保険制度の恩恵も受けることができます。それが、海外療養費制度です。海外で医療機関を受診し治療費を支払った場合であっても、日本に帰国をして所定の通りに申請をすると医療費の一部が払い戻される仕組みです。
支給される範囲は日本国内で保険が適用になっている医療行為のみとなっています。
ですから例えば、美容整形、高価な歯科材料や歯列矯正、性転換手術、不妊治療などは保険の適応にはなりません。
海外で医療機関にかかった際は、治療費の全額をいったん自己負担して医療機関に支払い、領収書を受け取ります。そして国際疾病分類表というものに基にづき、担当医師に「診療内容明細書」と「領収明細書」という書類を書いてもらいます。原則として受診者ごと、各月ごと、入院、外来ごとに記入してもらう必要があります。
申請は日本に帰国後に行います。住民票がある保険窓口にて海外医療費用の払い戻しの申請書類を提出します。このときに必要な書類は、
・診療内容明細書
・領収明細書
・上記二つが英語やクメール語などの外国語で書かれている場合はそれを日本語に訳したもの(これには翻訳者の住所、氏名を記入し、捺印が必要)
・国民健康保険被保健証
・振込先がわかるもの(通帳またはカード)
・世帯主の印鑑
・海外渡航が確認できる書類(パスポートや航空券)
となっています。
当地の医療機関で記入してもらわなければならない書類、また日本帰国後も用意しなければならない書類が多く、手続きは少々煩雑かもしれません。
医療費の算定方法は、日本国内で同様の病気やケガをして国民健康保険で治療を受けた場合を基準に、金額の7割が払い戻されることになっています。また、医療機関の受診から2年以内に申請しなければならないため注意が必要です。
万が一のことを考えてこの制度を利用できるようにしておきたいと考える方は、海外転出届を提出せず住民票を抜かないでおくという選択をすることもできますね。
捕捉になりますが、一度海外転出届を提出し住民票を抜いたとしても、日本に帰国後は再び住民票を復活させることができます。むしろ仮住まいであったとしても14日以内に住民票登録を済ませなくてはいけません。
その際には
・戸籍謄本または戸籍妙本
・印鑑
・パスポート
が必要になります。
住民票が復活すると、国民健康保険の適応で日本で治療を受けるといったことももちろん可能です。
カンボジアでの保険加入の必要性は?
ここで一つ、カンボジアの交通事故に関するデータをご紹介します。
世界保健機関(WHO)が2015年に世界の180の国と地域を対象に行った調査の発表によると、人口10万人あたりの交通事故の死者数は日本の4.7人に対し、カンボジアは17.4人であることがわかりました。単純に考えても、交通事故で命を落とすリスクが日本の約3.7倍もあることが示唆されています。このようにカンボジアは交通事故に遭う確率が高いとされます。
また、医療費に関しては、先進国と比較するとカンボジアではそれほど高くないように思われますが、緊急時に日本で受けることができるような高度な治療を受けることができない場合は、周辺のタイやマレーシアといった国々に二次搬送される可能性があり、治療費だけでなく、輸送費や滞在費なども自分で負担しなければなりません。
こうしたことを踏まえると、カンボジア当地の民間保険であれ、日本の国民健康保険であれ、何かしらの保険に加入しておくことは万一の際のリスク回避につながり、必須といえますね。
海外での保険事情に関しても、また改めて詳しく特集したいと思います。
結論
カンボジアでの就職が決まったら、
・海外転出届
・住民税
・国民健康保険
・国民年金
というテーマは考えることを避けて通れません。ご自身の状況や考え、そして将来設計で変わってくることなので一概に何が良いということはできませんが、どこにお金を支払うのかをきちんと考えて、納得できる形をとりましょう。
こちらが参考にした情報やデータは、最新のものを反映させるように十分注意しておりますが、詳細は各制度に関する公式HPや、地方自治体の該当ページで調べたり、直接窓口に聞いたりすることをおすすめします。
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