内田クレペリン検査に見るカンボジア人材の特長〜行動特性検査を通して知る日本人との違い〜

これまでクレペリン検査を受けたことある方いらっしゃいますか?
つらくて有名なクレペリン検査になります。
今回、株式会社日本・精神技術研究所と、アジア・ダイナミック・コミュニケーションズ株式会社と、弊社CDLで協力して、カンボジア人300名にもこのクレペリン検査を受けてもらって、カンボジア人材の特徴というものを分析してみました。
分析した結果を内田クレペリン検査に見るカンボジア人材の特徴というテーマで今回お伝えさせていただきます。
内田クレペリン検査とは
日本で多様な業種や業界で活用されているクレペリン検査
内田クレペリン検査とは、簡単な1桁の足し算を1分毎に行を変えながら、休憩をはさみ前半と後半で、各15分ずつ合計30分行う検査です。自己認知をベースとしないため、言語・文化・世代に制約されず、足し算のできる人なら誰でも全く同じ基準で検査できます。
日本国内では、年間100万の受講者が受験しております。60年以上の歴史の中で累計5000万人以上の人々が受検している、ポピュラーな適性検査となります。鉄道事故との相関関係が立証されていることから、国土交通省令に基づき、鉄道の運転免許の取得要件に指定されています。
このように日本で多様な業種や業界で活用されているクレペリン検査となりますが、近年、2007年より、隣国タイでもバンコク高架鉄道BTS社が運転手に課していたり、サムスン電子の全スタッフが受けていたりと、日本のみならず海外でも活用されております。
行動特性、働きぶりをどのように判断
次は、行動特性、働きぶりをどのように判断するのかという点に関してご説明致します。ポイントが大きく2つあります。
知能指数と相関のある行動量
一つ目のポイントは「作業量」です。
同じ一分間で足し算をしているのに、受検者によって出来高にバラつきがでてきますが、単純に足し算が得意、不得意というだけでなく、日常生活での行動のテンポやスピードを反映していることが多く、また、知能検査との相関を調べてみると、作業量とIQには高い相関(相関係数7.0以上)があることがわかっています
能力のコントロールの特徴がわかる行動曲線
二つ目のポイントは「作業曲線(の形)」です。
四枚の検査結果は、「作業量」の基準でみるとほとんど同じ(A段階)方々ですが、グラフの形、つまり作業曲線の形をみると違うことがわかります。左から右にいくにしたがって、グラフの形が大きく揺れており、「作業量」が受検者の能力の高い/低いを表していたのに対して、「作業曲線」は能力のコントロールの傾向をあらわしています。
曲線は「揺れ」の傾向だけでなく、いろいろな作業傾向を反映しており、一番右の検査結果などは、通称「停電」といわれ、一時的な作業障害を表しています。集中力が途切れたり、一時的にぼーっとしてしまう傾向のある人で、運転や工場での事故とのかかわりも指摘されています。
国別行動特性の比較
日本人の平均作業量は世界的にみて高い
このように受験者一人一人の作業曲線は違いますが、平均すると、作業曲線はこのような形になります。これを平均作業曲線と呼びます。集団の働きぶりを見るものとなり、その国の集団の産業効率のベースラインといえます。
日本人の現在の平均作業量は60.3と、世界的にみて高い平均作業量と、幅の狭い曲線となっておりますので、安定したコントロールをもっていると、集団傾向として見て取れます。
経済発展の度合いと一部相関関係
他のアジア地域を見て分かるように、平均作業曲線は、世代や地域を越えて、かなり普遍的に同様の形を再現することが確認されている。
データを取った年代は違いますが、行動量が多い順にと、日本人、シンガポール人、ベトナム人、タイ人と続いていて、経済発展の度合いと一部相関関係が見られます。
カンボジア人材の行動特性
カンボジア人の行動特性はASEAN地域の中で一番作業量が低いことが特徴です。しかし、図を見て分かるように、カンボジア人上位20%はおおよそ日本の平均作業曲線とほぼ同じとなります。
総合評価における人材構成(人材マップ)
こちらが縦が作業量の大きさ、横が、平均作業曲線からの乖離を表しています。上段であるほど、作業量が多く、横軸の右へ行けばいくほど、平均作業曲線からの乖離を表しています。左上に位置する人、作業量が多く、作業曲線も平均的であるため、能力が高く、様々な仕事に適応できる可能性が高いといえます。下に行くと、仕事のスピードはゆっくりになり、複雑な仕事への適応は難しくなります。
先程見た、作業曲線が平均と大きく乖離している事故を起こす可能性がある人などは、右寄りに位置して、コントロールやコンディションに問題があるといえます。
このように視覚的に、誰がどの位置にいるのか、ということが把握できます。
カンボジア人の分布はというと、この図のようになっています。1段目に位置しているのは、日本人の平均よりも作業量が多い人といえ、このように、平均的に見ると日本人の2/3のスピードですが、日本人平均よりも早い人もいれば、下の段の人のように、日本人平均の1/3のスピードの人もいることがわかります。
カンボジアにおける内田クレペリン検査の活用方法
平均的なカンボジア人が日本人の2/3という、行動量の差を理解すること、また、その中には日本人より行動量が早い人もいるし、人とは違う力の出し方をする人もいるため、それぞれの人材が活躍できる環境づくりをしていくことが求められます。
また、1937年当時の日本の平均作業量は37.9で、現在のカンボジア人の作業量の方が多い結果となっており、今後、経済発展や若い世代が新しい教育を受けることによって、伸びていく余地が大いにあります。
また、先程の分布を見て分かるように、広範囲に分布しているため、採用時、その中から適材を選ぶとなった際に、面接官の評価と合わせて、定量的に働きぶりを見ることができるクレペリン検査が、補完できるツールとなるのでないでしょうか。
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